STORIES

ストーリーズ

  • ファニチャー
  • その他(アイテム)
  • ブランド・メーカー紹介
  • その他(タイプ)

2026/01/28

見た目を変えず、ものを守る|ワンコーティングが拓く家具の未来

株式会社1Line(ワンライン)
代表取締役 眞鍋 氏

住商インテリアインターナショナル株式会社(SII)は、空間づくりにおいて「6つの力」を掲げています。その一つである「保守力」を支えるパートナーが、特殊コーティング技術「ワンコーティング」を展開する株式会社1Lineです。

家具を長く美しく使い続けるために、納品前の「プレメンテナンス」という発想で、素材の機能性を高める独自技術。本記事では、1Line代表の眞鍋氏に、ワンコーティングの技術とその背景にある想いを伺いました。

コーティングは「料理」― 素材とアイテムの掛け算

1Line 眞鍋氏:私たちにとってコーティング剤は「調味料」のようなものです。料理に合わせて調味料を使い分けるように、用途・環境・求められる機能に応じて、最適な調合は変わってきます。

これまでのコーティング技術は、ケミカル会社が出してくる一つひとつの技術でした。私たちからすると、ケミカル会社は醤油をつくる会社。そして1Lineは、その醤油を含むいろいろな調味料を集め、現場ごとに最適な味付けや調理法をアレンジしていく会社です。

ワンコーティングは、一つの液剤でさまざまな素材に加工できる技術ではありません。素材とアイテムによって液剤を分けています。実際には50種類も60種類もの液剤を使い分けており、その総称がワンコーティングです。

同じ生地でも、カーテンで使用されるものとソファで使用されるものでは違うため、コーティングの加工方法も変わってきます。ファブリックの場合はダニなどの虫がつきやすいですが、革は虫が発生しにくい。一方でカビは、革製品の場合は生えやすいという特性があります。だから、液剤の調合を変えていく必要があるのです。

見た目を変えない技術とは、どんな人が施工しても仕上がりに差が出にくく、均一な品質を実現できる技術のことです。1Lineにしかできない技術を生み出すことで、比較競争から離れた独自領域を築けます。私たちは、手作業で行う価値がある技術を作ろうと考えています。

大理石を守る ― 世界でおそらく1Lineにしかできない技術

1Line 眞鍋氏:1Lineにホテルや高級案件で問い合わせが来るのは、ほぼ大理石です。どの施設も必ず困っているのが、この石なのです。

大理石は基本的に液体を吸い込みやすい、隙間の多い石です。炭酸カルシウムが主成分なので、コーヒーでも炭酸水でもワインでも、酸に触れると溶けるという特性を持っています。飲食店でワインなど酸性のものを扱う場合、こぼれて数分もすればシミになってしまう。

これまでさまざまな加工が開発されてきましたが、いずれも見た目が変わるか、見た目は変えないけれど十分な効果が得られないか。最適なものがありませんでした。基本的には、大理石のメンテナンスとしては定期的に磨くという方法しかなかったのです。

1Lineが開発して約4年になりますが、世界的にはおそらく1Lineにしかできない技術です。

液体の吸い込みを抑える撥水撥油性を付与できるようになったことと、酸で溶けなくする石の変質技術。これによって、ワインをこぼしても石が溶けなくなる。表情もほとんど変えない薄膜なので、従来できなかったレベルで石を加工できるのです。

某高級ホテルや某大型ビル施設で石を使うときは、基本的に1Lineが指定されます。あるリゾートホテルでも4年目を迎えていますが、まだ撥水性が残っている。使用頻度が高く負荷の大きい環境下でも意外に長持ちするというのが実感です。

プレメンテナンスという考え方 ― 溶けてからでは遅い

1Line 眞鍋氏:コーティングは万能ではありません。何も対策をしていないものは、家具でも建物でも、劣化曲線は直線ではなく加速度的に悪くなるという特性があります。部分補修で直せる限界、もう直せない限界がある。どの段階で対処するかが、その物の価値を長く持たせられるかどうかの分かれ目になります。

コーティングの役割は、あくまでも初期性能を上げることで、最初の出発点を引き上げること。そして、劣化曲線を緩やかにしていくこと。定期的にクリーニングや補修をすれば、さらに引き上げていける。その際にコーティングをしておけば、もともと素材が持っている機能よりも高いレベルに引き上げることができます。

プレメンテナンスは、予防療法のようなものです。人間でも、問題が起きてから手術するより、事前に予防する方がいい。

プレメンテナンスでしかできないことは多くあります。石は一度溶けてしまうと元に戻せません。だからこそ、溶けないよう先に対策しておくことが重要です。ラグも、何かをこぼせばシミになります。だからシミにならないようにコーティングしておく。こうした「事前の備え」を、ワンコーティングの技術でご提案したいと考えています。

好きなものを選んで、長く大切に使う

1Line 眞鍋氏:ファストファッションと同じように、ファストファニチャーという考え方もあると思います。たくさん作って、短いサイクルで入れ替えていくという考え方です。ただ、社会情勢的にも今はそうではありません。

これまでは、機能があるものを選ぶ、デザインがあるものを選ぶという考え方でした。しかし今は、好きなものを選んで後から機能をつけられる時代です。白いファブリックを選んだからといって、いろいろ諦めなければならないという時代ではありません。好きなものをまず選んで、今の技術で機能性を高める。その方がシンプルだと考えています。

事前の対策がされていない状態で汚れてしまうと、ご相談いただいても、十分な対応ができないこともあります。価値あるものほど、そうなる前に備えておきたいところです。少し対策をしておけば防げることが非常に多いので、その点をまずは知っていただければと思います。

物の寿命が3倍伸びれば、当然長く使っていただける。そういったサステナブルテクノロジーを作っていきたいと考えています。物を守りながら、結果的には物をきれいに長持ちさせて、地球環境のサステナブル化に貢献していこうという考え方で、この技術を展開しています。

SIIでは、1Lineとの協業により、輸入家具の物流過程でのコーティング対応や、既に納品済みの家具へのクリーニング+コーティングによるアフターケアをご提案しています。

家具を納品して終わりではなく、その後の運用まで考える。SIIの「保守力」を支えるパートナーとして、1Lineのワンコーティング技術が、お客様の大切な空間を長く美しく保つお手伝いをいたします。

1Line サービスサイト: https://onecoating.jp/

1Line コーポレートサイト: https://1line.co.jp/

保守力の関連記事はこちら

お問い合わせは、当社営業担当もしくはこちらまで。