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2025/03/09

日本の静寂と北欧デザインの交差点 ―「ポール・ケアホルム展 in 京都」

PK80™ Daybed

ポール・ケアホルム(1929-1980)
デンマークの家具デザイナー、ポール・ケアホルムの作品は、スチールを用いたシンプルで洗練されたデザインが特徴です。1951年から1967年にかけて手がけられた「ケアホルム・コレクション」は、現在もフリッツ・ハンセン社によって製造・販売されています。彼の作品は、そのエレガントな美しさと機能性で多くの人々に愛されています。

ファニチャー開発部 ブランドユニット
ユニットリーダー 宿南 幸江

本記事では、フリッツ・ハンセンによる「ポール・ケアホルム展 in 京都」内覧会に出席したファニチャー開発部の宿南が見て、感じたことを語ります。

会場は京都・建仁寺の塔頭寺院「両足院」。その歴史ある静謐な空間と、デンマークを代表する家具デザイナー、ポール・ケアホルムの作品が見事に融合し、まさに日欧のデザインが交差する特別な体験となりました。

両足院で開催された特別な「ポール・ケアホルム展」

宿南:今回の展示会は、フリッツ・ハンセンがディーラー向けに開いた特別な機会でした。一般公開とは別に、私たちディーラーが深く学べる場を用意してくださったのです。場所が京都の建仁寺の塔頭寺院・両足院ということで、厳かな和の空間にポール・ケアホルムの家具が置かれている様子はとても印象的でした。

特に今回嬉しかったのは、ポール・ケアホルムのご家族、息子さんやお孫さんもいらしていて、彼のデザインにまつわる様々なストーリーを伺えたことですね。家具がどのような思いで設計され、どういう哲学のもとに作られているかを直接聞ける機会なんて、そうそうありません。デザインの裏にある歴史や背景に触れると、家具への理解が一段と深まると感じました。

Photo by Takemi Yabuki

PK33™ Taburet PK62™ Coffee Table PK61™ Coffee Table PK80™ Daybed PK4™ Lounge Chair

ポール・ケアホルムのデザインと和の空間

Photo by Takemi Yabuki

宿南:ポール・ケアホルムの家具は、一見とてもシンプルですが、角の取り方や脚の接合部など、細部までこだわり抜かれています。例えば、椅子の座面が浮いているように見える工夫や、テーブルでは木目の向きを排除するために石材を選ぶなど、「普遍性を追求したミニマルデザイン」といえるでしょう。

このようなミニマルな形状が、日本の建築空間と驚くほどよく調和するんです。お寺の静謐さとケアホルムの家具が持つ静かな存在感が、互いを引き立て合うように融合していました。両足院の重厚な和の空間に置いても、まったく違和感がないことに驚きました。

PK23™ Lounge Chair PK9™ Chair PK54™ Dining Table PK0 A™ Lounge Chair

日本×デンマーク 新たな可能性を再発見

宿南:SIIでは、主に日本国内の空間に家具を提案することが多いのですが、「日本の建築や空間に北欧デザインを組み合わせる」という魅力を改めて感じました。お寺という伝統的な建築に、デンマークのデザインが融合している姿を実際に見ると、「こんなに合うものなんだ!」と新鮮な驚きがありました。

今回の展示会で得た刺激を、お客様への提案にも活かしていきたいと思います。普段はあまり見ない和洋折衷の組み合わせでも、実は相性がいい。お客様にとっても、新しい空間づくりのバリエーションとして、興味深く魅力的な選択肢になり得るのではないかと感じています。

Photo by Takemi Yabuki

フリッツ・ハンセンとケアホルム ― 共鳴する哲学

宿南:フリッツ・ハンセンは、デンマークを代表する歴史ある家具メーカーです。数々の著名デザイナーや建築家と名作を生み出してきました。ポール・ケアホルムもその一人で、石や金属などを用いて、どこに置いても普遍的に馴染むデザインを目指していたと思います。

この哲学は、フリッツ・ハンセンの考え方と見事に一致しているのでしょう。両足院の展示では、「ブランドの歴史とデザイナーの想い」がしっかり伝わる空間づくりがされていて、フリッツ・ハンセンは単なるメーカーではなく、哲学や物語を大切にしているブランドだと再認識しました。

職人技が光るポール・ケアホルムの家具パーツ展示

お客様の想いを深く汲み取り、応える

宿南: 私たちSIIが大切にしているのは、お客様が実現したい空間や想いを、どう具体的に形にしていくかということです。どういう想いを込めた空間にしたいかを一歩踏み込んで汲み取り、より良い提案につなげたいんです。

そのためにも、メーカーが持っている背景やストーリーをよく理解し、お客様がまだ気づいていない可能性を提案できるようになりたいと考えています。フリッツ・ハンセンとポール・ケアホルムの歴史や理念を知っていれば、「こんな想いを込められるかも」「こんな空間づくりができるかも」といった発想を提示できるんですね。

今回の展示会は、そのような理解を深める貴重な機会になりました。

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