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2025/12/01

人の縁が生んだシナジー 関西初、UNION×SII共同展示会の舞台裏

住商インテリアインターナショナル株式会社
フロア事業部 平船 貴之(右)
フロア事業部 堀池 誠(左)
フロア事業部 蓮見 淑香

2025年8月27日・28日、住商インテリアインターナショナル(SII)は大阪の建築金物メーカー 株式会社UNION(ユニオン)様 と、同社のショールームで共同展示会「TEXTURE CROSSING」を開催しました。

これまで関西エリアでイベントを開催したことがなかったSII。床材の新プラットフォーム「SII FLOOR SELECTION」を周知するため、ユニオン様と共同で展示会を企画。2日間で延べ100名以上のお客様にご来場いただき、展示会は大盛況のうちに幕を閉じました。

建築金物と床材という異なる商材を扱いながら、なぜ一緒に展示会を開催することになったのか。準備期間わずか2か月の中で、どのように実現したのか。担当者3名に話を聞きました。

異業種のコラボレーションが実現した共同展示会

SII 堀池

SII 平船:ユニオンさんとは、以前から懇意にしていて、展示会の共同開催は過去にも実施してきました。もともとは過去の展示会で、偶然ブースが隣り合わせになったというところから繋がった縁です。

彼らは建築金物が得意で、我々は床材と家具が得意。同じ内装の仕上げ材を扱っていますが、商材が違うので競合しません。お互いに情報交換や相互補完ができる関係を長年構築してきました。

その縁で、建築金物と床材という、お互いの商材を同じ空間に展示した共同展示会の実施に至りました。

SII 堀池:当社は今まで関西エリアで展示会を開催したことがなく、初めてのチャレンジでした。

関西エリアでの展示会のノウハウが無いため、本社が大阪にあり、ショールームをお持ちのユニオンさんとの共同開催なら、お互いにとって相乗効果があり、集客性やインパクトも大きなものになると考えました。そのため、我々から「一緒にやりませんか」とアプローチしました。

SII 蓮見:関西エリアで展示会を実施したことがないので、「SIIが床材の新しいプラットフォームを展開する」ということを関西の設計事務所の方々にも知っていただくことが一番の目的でした。

タイトなスケジュールで、準備期間が2カ月しかありませんでした。開催が決まってすぐに社内の関係者と連携し、海外メーカーからサンプルを取り寄せる手配をしました。

ユニオンさんは展示会開催に慣れていらっしゃることもあり、ショールームをお貸しいただくだけでなく、ケータリングの準備やフライヤー制作、お客様への案内などさまざまなご協力をいただきました。

SII 蓮見

日本初” を盛り込んだ新床材プラットフォーム「SII FLOOR SELECTION

SII 平船

SII 蓮見:ユニオンさんのショールームは吹き抜けになっていて、とても素敵な空間が広がっています。それぞれの商材の良さを活かすために、展示のレイアウトは工夫しました。壁はユニオンさんが建築金物を紹介し、我々が床材を敷く。お客様が同時に展示を楽しめる形式です。

来場されたお客様には、ユニオンさんから新作商品をご案内し、当社からは新プラットフォーム「SII FLOOR SELECTION」を紹介しました。商品展示のほか、堀池が登壇してNeoCon(※1)の視察報告会も実施し、想定以上に多くのお客様に足を運んでいただくことができました。

SII 平船:我々はこれまでは一つの床材ブランドを取り扱ってきました。今後「SII FLOOR SELECTION」では、国も、価格帯も、コンセプトも、多種多様なブランドを取り扱います。グローバルな視点で、お客様にとって最適なものを調達するという方向に舵を切りました。

堀池よりNeoConの視察報告会を実施
ユニオンのショールーム。開放感のある設計

SII 平船:取り扱い品目の多さによって、「SIIに頼むと何かある。要望を伝えると、想像を超えた提案をしてくれる」という価値を提供していきたいと思っています。世界のさまざまな国から商品を集めているという点で、「より住商インテリアインターナショナルらしさが出てきた」というお声をお客様からいただくことも増えてきました。

SII 堀池:シンガポールのStitches & Gauge(スティッチズ アンド ゲージ)や、タイのCarpets Inter(カーペッツインター)など、日本初上陸のブランドも扱い始めました。展示会の現場でも、「新しい、見たことがない」という反応が多かったです。

SII 蓮見:実際にその場でサンプルの依頼もいただき、手応えを感じました。

SII 堀池

※1 NeoCon : 毎年6月にアメリカ・シカゴで開催される、国際的な家具見本市。1969年創設で、各社が新作を発表する

ショールームの展示品の前で、数多くの来場者が交流を楽しんだ
タイ・Carpets Interの「Piccadilly Circus(ピカデリー・サーカス)」。ロンドンの地名をテーマに、都市のエネルギーや文化をデザインに落とし込んだ

環境への配慮と機能性を両立する床材「キネテックス」

※ 参考画像(展示会画像ではありません)
SII 蓮見

SII 蓮見:今回は、各メーカーの新作を中心に展示しました。特に、新素材の製品を扱うようになったため、その点も大々的にご紹介しました。

特に注目していただきたかったのが、J+J Flooring(ジェイジェイフローリング)というメーカーのKinetex(キネテックス)という床材です。リサイクルポリエステル糸を圧縮して作られていて、耐久性があります。防水性と防滑性もあって、カーペットと硬質系床材の長所を併せ持つ、ハイブリッドな床材です。

SII 平船:加えて、ペットボトルをリサイクルした繊維でバッキングを作っているので、環境に優しい商品という点でもアピールできます。

J+J Flooringは、これまで日本では「知る人ぞ知るブランド」という立ち位置でした。今後、さらに多くの方々に知っていただけたらと願っています。

SII 平船:「SII FLOOR SELECTION」は、半年ほどで立ち上げました。決してスムーズな過程ではなく、チーム一丸となって粘り強く海外メーカーにコンタクトを続け、取り扱い開始に漕ぎ着けることができました。

数多くの海外メーカーに繰り返しメールを送って電話をかけても、反応が返ってくることは多くありません。ウェブミーティングを設定して、実際に現地に行き、そこでようやく「やりましょう」という合意が得られます。最初はなかなか相手にされず、壁を感じることもありました。

SII 堀池:一方で、SIIが築き上げてきたブランドや信頼の価値を感じることもありました。当社は、約30年間世界一の床材ブランドを取り扱ってきた実績があります。業界の中でも認知や人脈を獲得することができており、SIIが新しいブランドの取り扱いを始めるという話を聞いて、「一緒にやろう」と声をかけてくれるメーカーもありました。

SII 平船

設計者の「こんなものが欲しい」を実現する商社機能

SII 平船:我々に求められているものは、「設計者の要望ありきの提案」です。空間のコンセプトに合った商品を世界中から探してきて、課題を解決できるソリューションを提供する。それが商社としての我々の価値だと考えています。

SII 堀池:自身が担当するお客様から「海外の展示会で見た床材メーカーがすごく良かったんだけど、御社で扱える?」という相談があって、実際にコンタクトしたら扱えるようになったケースもあります。cc-tapis(シーシータピス)やBentley(ベントレー)などのブランドを提案すると、「こういった商品を扱えるんですね」という反応をいただくこともあります。

SII 平船:これまで我々が取り扱ってきたカーペットはオフィス向けのものが多かったのですが、「SII FLOOR SELECTION」では機能面やデザイン面、価格面で多様な商品を取り扱います。ホテルや商業施設など、用途やご要望に合わせ、幅広いご提案をしていきたいですね。

SII 平船
SII 蓮見

SII 蓮見:複数のメーカーの商品を展示したことで、商品の選定から展示までの過程を経験し、それぞれのメーカーの特徴を理解する良い機会となりました。

SII 平船:新ブランドの立ち上げやユニオンさんとの共同展示会を通して、さまざまな人とのつながりを感じています。ユニオンさんをはじめとした、社内外の多くの方々にご協力いただいたからこそ、今回の展示会を成功させることができたと感じています。

SII 堀池:東京でも今回のような展示会をやってほしい、という声もいただいていて、同じような機会を作れたらと思っています。また、ユニオンさんとの共同展示を企画できたら嬉しいです。今後は、関西エリアでの当社の存在感や、認知度をもっと上げていきたいと考えています。


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本記事の制作にあたり、ご協力いただきました株式会社ユニオン様に心よりお礼申し上げます。

お問い合わせは、当社営業担当もしくはこちらまで。