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2025/12/15
住友金属鉱山株式会社 新橋住友ビル リニューアル インタビュー
1982年竣工の新橋住友ビルを本社として活用する住友金属鉱山株式会社様。
東日本大震災を機に2015年から本社ビルのあり方を検討し、生産性や従業員のモチベーション向上、コロナ禍における働き方の変化を踏まえて、社員の想いを反映した大規模なオフィスリニューアルを実施しました。
さらに1階来客エリアである総合受付・来客会議室では「顧客とともに山から坑道に入り鉱脈を探しに行く」という
コンセプトを打ち出し、「世界の非鉄リーダー」を目指す企業姿勢を社内外に発信する印象的な空間が誕生しています。
今回は、このプロジェクトを推進された方々に、リニューアルの背景から完成後の印象までをお聞きしました。

住友金属鉱山株式会社
総務部 北山 洋輔氏 (左から2番目)
総務部 村上 清佳氏 (左から3番目)
住商インテリアインターナショナル株式会社 (SII)
第一事業部 竹内 誠 (左)
スペースデザイン部 鷹島 慎 (右)
既存ビルを未来へつなぐ決断
住友金属鉱山 北山氏:東日本大震災後、ビルの耐震性やBCPを見直したところ、古いビルゆえの課題も多く見つかりました。当初は移転や建て替えも視野に入れていましたが、最終的には自社ビルをリニューアルして使用するという方針になりました。2015年頃から検討を始め、2019年に基本方針が固まり、2020年から本格的に実行に移しました。
SIIさんを選んだのは、限られた時間の中でも私たちと並走する姿勢を見せてくださったからです。提案書提出まで3週間という厳しい納期でしたが、スタッキングプランまで考えて図面を引いてくださいました。また、働き方の習慣・意識を変える改革には、積極的に切り込んでいく力が必要だと感じていましたので、コクヨさんとタッグを組んだエネルギッシュなアプローチも効果的だと考えました。

「居ながら改修」という難題と社内の意識改革


住友金属鉱山 村上氏:本社ビルは人員増によって一人当たりのスペースが非常に狭くなっていて、昔ながらの執務デスクと会議室だけの環境でした。コロナ禍の中で「もっと快適に働きたい」「息苦しさを解消してほしい」という社員アンケートの声も多く、明るい気持ちで過ごせるオフィスが求められていました。
SII 竹内:今回のプロジェクトでは、フロア単位での仮移転を繰り返しながら改修を進めていく「居ながら改修」と呼ばれる手法を採用しました。この方法は、非常に緻密なスケジュール管理が求められます。1階、2階、3階、4階、6階、それに7階や8階といった離れたフロアも含めた計画を立て、どこの部署をいつ移動させ、どの順番で工事するか。さらには天井補強の耐震対策工事も並行して行うため、スケジュールも当初の計画から変更が必要でした。
住友金属鉱山 北山氏:オフィスの大規模な改革を進めるため、事務局である総務部のほかに、社内に部門横断でプロジェクトチームを立ち上げ、コンセプト作りから一緒に進めていきました。各部門から代表者を集め、「世界の非鉄リーダーを目指すためにどんな働き方をすればいいか」をテーマにワークショップを開催。そこから「安全・安心・健康的な職場」「生産性の向上」「多様な働き方・自立した働き方」「コミュニケーション活性化」という4つのコンセプトが浮かび上がってきました。

書類削減68%の大改革。明るく開放的な空間が実現

住友金属鉱山 北山氏:プロジェクトメンバーで議論した結果、「ペーパーレスを推進しよう」という方針が決まりました。以前は、本社で所有している書類を積み上げると、約3,654mに相当する量がありました。これは富士山とほぼ同じ高さに相当します。それを本入居前までに約1,165mまで減らし、68%削減を実現しました。これによりスペース効率が大幅に上がり、人と人が交流するスペースを確保できました。
クリーンデスクも徹底し、執務デスクの上には固定電話とモニター以外は何も置かず、書類は壁面収納や個人ロッカーに入れるようにしました。これによりセキュリティも向上し、オフィス全体の印象も一変しました。
SII 鷹島:オフィスフロアのデザインでは、「空間にメリハリをつける」ことを意識しました。回遊する動線にはホワイトベースの明るい木目調を用い、執務エリアはグレー系の落ち着いた雰囲気に。また、天井高が比較的低い建物なので、圧迫感を軽減するためにライトグレーや木調を効果的に配置しています。会議室ごとに色を変えるなど、使い分けが分かりやすいよう工夫もしました。
住友金属鉱山 村上氏: 回遊動線が木目調になったことで、以前の印象が一変し、明るくなりました。不思議と気分も明るくなり、社員からも「このビルってこんなに明るかったんだ」という声が聞かれました。また、以前はリフレッシュするスペースもなかったのですが、今はフロア中央にコミュニティエリアができ、そこで食事をしたり打ち合わせをしたりと、自然なコミュニケーションが生まれています。
住友金属鉱山 北山氏: SIIさんの強みは、様々なメーカーの中から最適なアイテムを選び、提案してくれることでした。必ずしも国産家具メーカー1社に絞るのではなく、海外製品も含めて「この機能が欲しい」というニーズに応えてくれました。個人ロッカーの高さや配置パターンも複数提案していただき、実際にショールームで試し、使い勝手を確認した上で質にこだわり決定しました。


来客エリアでは、顧客とともに山から坑道に入り「鉱脈」を探しに行く


住友金属鉱山 北山氏: 1階の来客エリアで当社らしさを表現する方法を考えた結果、「鉱山」というアイデンティティを空間デザインに落とし込みました。総合受付は「山」として木調をベースにしています。そこから移動し来客会議室は暗めの内装で鉱山の中の「坑道」をイメージ。
坑道に入り鉱物が取れる「鉱脈」を探しに行く。「鉱脈」を会議室での商談に例え、「脈の良い」商談から価値を創出するというストーリーを空間で表現しました。
SII 鷹島:さらにブランディングのポイントとして、住友金属鉱山様が取り扱う非鉄金属の印象を随所に散りばめました。インナーブランディングでは、階ごとに真鍮色や銅色を取り入れた家具や照明を採用し、非鉄金属メーカーらしさを表現しました。また、アウターブランディングでは、受付カウンターや待合テーブルに銅板を使用することで、事業の特徴を強調しました。

社有林の木材を活かし、住友金属鉱山らしさを随所に

住友金属鉱山 村上氏: 総合受付や来客会議室には、当社社有林の木材を使用しています。北海道の旧国富製錬所の操業終了後から造林事業を本格化させ、約40年前に当社が植林した木々が成長し、伐採の適期を迎えました。「その木材を本社リニューアルに使用すると、素敵なストーリーになるのではないか」と考えました。また、SDGsの観点からも意義があると感じました。
SII 竹内: 社有林の木材を使ったオフィスリニューアルは非常に珍しい試みでした。伐採から乾燥、製材、そして家具になるまでを一貫して管理するプロセスを経て、総合受付の展示台やベンチ、ワークカウンター、来客会議室のテーブルなどに活用しています。今では来客時に「このテーブルは自社の植林木です」と紹介できる、貴重な広報素材にもなっていると伺っています。

長期プロジェクトを成功に導いたSIIの総合力


住友金属鉱山 村上氏: 竹内さんには特にオフィスエリアの改修の際に大変お世話になりました。私が各部署との窓口となって調整していましたが、直前になって「やはりここに何かを置きたい」といった要望が次々と出てきても、フレキシブルに対応していただきました。同様に鷹島さんも、私たちの急な変更にも即座にレイアウト案を作り直してくださいました。嫌な顔一つせずに対応していただいたのが本当にありがたかったです。
住友金属鉱山 北山氏: 無茶な要望を出しても、粘り強く一緒に走り続けてくださった姿勢が何より心強かったです。内部からの回答に困るような意見には外部の方から専門家として意見していただいたり、業者さんへの厳しい要求も代わりに伝えていただいたり。本当に「一緒に汗をかいた」という実感があります。
SII 竹内:私たちは商社機能を持ち、様々なメーカーの家具や内装材を扱うだけでなく、工事やスケジュール管理、設計デザインをワンストップで行えます。大規模改修で不測の事態が起きても柔軟に選択肢を広げられるのが強みです。
SII 鷹島:デザイン面では 「社員の働きやすさ」 と 「企業ブランディング」 を両立させるのが目標でした。山のふもとや坑道といったコンセプトはチャレンジでしたが、他にはないオフィスが実現したと思います。追加レイアウトやマイナーチェンジもぜひご相談ください。
住友金属鉱山 北山氏: 当社のオフィスレイアウトを知り尽くしているSIIさんには、今後も長いお付き合いをお願いしたいと考えています。時間が経つにつれて使い方も変わり、社員のニーズも変化するため、レイアウト変更の必要性も出てくると思います。その際には、最初に作ったコンセプトを壊さずに新たな形に生まれ変わらせるパートナーとして期待しています。
SII 竹内: どんな変化にも柔軟に対応し、住友金属鉱山様の「世界の非鉄リーダー」を目指す歩みをこれからも空間づくりを通じてサポートしていきたいと思います。


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是非ご覧ください。
住友金属鉱山株式会社 本社オフィスリニューアル
住友金属鉱山株式会社 本社来客会議室
新橋住友ビル 総合受付
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